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【院長ブログ】『平成28年1月、膣式手術~特に子宮脱手術について~』

■膣式手術~特に子宮脱手術について~

昭和60年2月1日、千葉県野田市岩名2丁目に新規開業する。
父が東京都足立区に産婦人科病院を開業していて、東大卒の兄がそのあとを継いでいる。
そのころ、産婦人科雑誌に辻 啓 先生が膣式手術について掲載していた。
辻先生が東京板橋高島平に開業する前の6ヵ月、部長をされていた同愛記念病院に兄が東大医局から派遣された。
父の病院において兄が執刀し医師になりたての自分が助手をした。
術者が何をしようとしているか、全くの素人である自分でもよく理解でき、直観的にこれを覚えればメシが食えると考え、弟子入りさせてもらい辻医院に通った。
優れた婦長が2人いて、午後2時、3時、4時執刀、1日3例子宮筋腫を中心とした膣手術を行い、5年間指導を受けた。

膣式手術は簡単ではない。辻式膣式三回結紮子宮全摘術はきわめて安全な術式である。
15年ほど前、70歳の娘さんより電話あり。『92歳の母のことですが、子宮脱です。診て頂けますか』という。
勤務医であったらすぐ切ったと思う。
待てよ、辻先生だったらどうするだろうと一瞬思い、手術の適応もあるし手術と答えるだろうと考え、すく来院してくださいと答えた。
その日のうちに来院。バナナの房ほどの完全子宮脱。
先生の教えの通り、膀胱底形成術、膣式子宮全摘術、骨盤底形成術を行う。
出来た。これは大きな自信につながった。

子宮脱手術は膣式手術のなかでももう一つ自信が持てなかった。
前述した例の数年前、前半の膀胱底形成術と膣式子宮全摘術をやっとの想いで済ませ、後半の骨盤底形成術を省いてしまった。数日してすぐ再発した。
辻先生が何回も何回も『必ずすべてを行え』と言っていたことが身にしみた苦い経験がある。
今では苦もなく骨盤底形成術ができるものの当時は自信がなかったのであった。

69歳で先生が亡くなった。心疾患と聞く。
前日まで難しい手術をしていて、翌日起きてこなかった。
それまで69歳まで手術をしなければいけないと考えた。
3年ほど前、両目の白内障手術を受けた。物が見える。
何歳になったら術者を辞めるべきか考えた。
老眼鏡が必要になったときがその時と思っている。
まだ裸眼で手術が出来る。

会員の皆さん、子宮脱にペッサリーを入れていても限界になった症例などありましたら、
御紹介いただければ大変ありがたいです。
 

『千葉県医師会雑誌 第68巻(2016年1月号)』掲載

 

平成28年1月
川間太田産婦人科医院
院長 太田 八千穂

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