院長ブログ更新しました。『令和6年3月、春分の日の会津高原高杖原と中三依、森戸そして高杖原のこと』(2024年3月31日)
~【春分の日の会津高原高杖原】~
■令和6年3月19日(火)晴
10:04 リバティ春日部発、12:20 会津高原尾瀬口着。
憩の家にてラーメンを食べ、13:15 桧枝峠行バス発。
客は私ともう一人。
精舎の《木こりの店》にて下車。
広い店は温かいものの、客は一人もいない。
すぐ一枚板を見てまわり、別棟の倉庫も見ました。
30年前から来るたびに見た巨大な栃の木の一枚板5~6枚が、
1枚を残してなくなっていました。
3年前ほどのことです。半導体の会社が買い上げていったと聞きました。
売れっこないと思う半面、売れないで欲しいという気持ちが私にはありました。
恐らく切断して使ったのだと思います。
『一枚板でなければ価値はない』と私は考えます。
前回来たときよりさらに物がなくなっていました。
全くなくなったと言ってもいいくらいでした。
ペンションのオーナーが迎えに来てくれました。
道路には雪がありません。
山は雪です。
《白樺の湯》に行きました。
10数人がいました。
夕食はウィスキー水割り、かぼちゃのスープ、ビーフシチュー、シャーベット、それに紅茶でした。
大きな灯油ストーブと薪ストーブ。
部屋は程よい温度、よく眠れました。
■令和6年3月20日(水・春分の日)くもり。
午前6時、目をさますと朝日と雪がまぶしい。
眠りました。
午前8時くもり。
朝食はオムレツと野菜と果物の盛り合せ、トーストそれにコーヒー。
いつも乗る午前10時のバスがなく、午後2時スキー場発ということでした。
今までにこんなことはありませんでした。
オーナーが車を出してくれるといい、そば《おり田》にて降ろしてもらいました。
主人と奥さんも元気でした。
ビールはビンでなく缶になっていました。
天ぷらせいろ大盛をいただきました。
13:21 リバティ会津高原尾瀬口発、15:44 春日部着。
途中、鬼怒川温泉にて満席と車内放送がありました。
午後4時過ぎに帰院できました。
①特急リバティが行きも帰りも満席であったこと
②バスが全くと言っていいくらいなくなっていたこと
③きこりの店の一枚板がほとんどなくなっていたこと
予想もしなかったことが起っていて驚きました。
~【中三依、森戸そして高杖原のこと】~
■中三依
もう30年以上前のことです。
NHKテレビ朝のニュースに『寺の境内に駅ができた。』と報じていました。
野岩鉄道会津鬼怒川線の《中三依駅》のことです。
同線は昭和61年10月に開業したといいます。
信越、上越、野岩越という語を知りました。
その1年前に私も開業していました。
火曜休診日に駅に降りるとお堂のような建物が右にあり、緩い道を下ると国道に出ました。
ここには20代のはじめに会津から鬼怒川に向かうバスに乗り通りました。
初夏の木漏れ日の明るい日射しが強かったことを想い出しました。
同時に幕末、《上野戦争》に敗れた幕軍の将兵たちが会津に向う途中に通った地です。
ここにわさびが採れます。
〈高橋わさび店〉に寄ると漬物を試食させてくれました。
『辛い。』伊豆や安曇野のものと比べると比較にならないくらいの辛さでした。
田舎そばと謳う《かじか食堂》に行きました。
わさびそば大盛と大ビンビールをいただきました。
毎月のように通いました。
夏、どんど滝その奥に流れを利用した釣堀がありました。
そのうち《男鹿の湯》ができ入浴し帰りました。
休憩室のあったスポーツ誌に『プロ野球 野茂英雄選手がアメリカ大リーグに移籍』とありました。
そば店のおかみの『東武は客をみんな会津高原に連れていってしまい、中三依には誰も降りない。』という発言が強く心に残っています。
年越しそばを雪の降るなか受け取りに行ったこともありました。
■森戸と高杖原
会津高原駅まで行きバスに乗り精舎に下車し〈不動ガーデン〉にてそばとビールをいただきました。
未だ雪が根元に残る春先のことでした。
主人に医院の食事に使う《会津みそ》のことを相談しました。
次に行ったとき5軒ほどの製品を揃えてくれていて、その一品《いちます醸造》のみを選びました。
20年前、当院のホームページを立ち上げるとハワイから80歳の日本人の子宮脱の人が来院しました。
超手拳大ほどの見事な脱。
恩師 《辻 啓 先生》の術式通り手術し、できたことがうれしかったことを覚えています。
みそ汁がおいしいと言い、そのみそを取り寄せ持ち帰国していきました。
主人は舘岩村会議員でした。
その同僚が民宿をやっていると教えてくれました。
八総から高杖原に上る道の右側に立派なログハウスがありました。
外人の大工が建設しその民宿に泊ったといいました。
外人が泊まれるならいいと思い訪れました。
《民宿 軽井沢》と言います。
有名地の〈軽井沢〉から名付けたと思いましたが、この辺は昔から〈軽井沢〉ということでした。恐れ入りました。
新聞に横浜のマンションの広告に〈軽井沢〉と言う地名がありました。
千葉鎌ヶ谷の市の施設に不正があり、そこにも軽井沢という名が表示されていました。
東日本に〈軽井沢〉という地名がときどきあります。
高齢な夫婦が経営していました。
2列のテーブルのある和室が食堂になっていました。
ある大晦日に泊ったところ20名ほどの客がいて満員でした。
《こづゆ》という会津の汁物の料理を味あわせてもらいました。
『会津人は宴に出席すると酒と汁物を食し、固形物は紙につつんで持ち帰る』と教えてもらったことを思い出しました。
夏、暑い夜、2階の山ざくらの間の窓を開けたまま眠りました。
秋、唐松の黄葉がきれいだったことを記憶しています。
春の彼岸、今回と同じ日、泊まると『ぼたもちを作ったから』と持たせてくれました。
帰って食すると甘さを抑えたいい味がしました。
作り手の真心が伝ってきました。
息子さんの嫁に朝鮮系中国人が来て、料理の味がほとんどキムチ味になってしまい、行くのを止めました。
《きこりの店》の人が山から沢ぐるみの木を切り出し高杖の娘さんの〈喫茶くるみ〉の建物の柱にしました。
店に寄ると『父のスープは新しい人のものと比べると旧るくて。』と娘さんは言っていました。
隣に父親が《ペンション ロマネスク》を開いていました。
帝国ホテルにおいて《村上 信夫シェフ》の指導を受けたと言い同氏の署名のある色紙が掲示されています。
それからはここにお世話になるようになりました。
娘さんの発言は『父は伝統的な味を守っている。』と言いたかったことが判りました。
ビーフシチュー、桃入り冷製スープ、赤かぶのコンソメスープ、シャリアピンステーキ、フレンチトーストなど、一通り味あわせてもらいました。
もう1つビシソワーズがありました。
高杖原は〈たかつえスキー場〉として知られきていますが、実は夏が一番いい。
夏の夕暮、《アストリアホテル》のテラスにある椅子に座りビールを飲んでいると、寒いと感じることがありました。
八総と高杖原では涼しさが違うと地元の人が言っていました。
最近見かけませんが、以前、燕が飛びかっていました。
歌謡曲《襟裳岬》の歌詞に『何もない春です』があります。
『何もない』という表現がいい。
この語を使わせてもらえば、『何もないものを求めて私は旅に出ます』となります。
中三依、森戸それに高杖原には、多くの『何もないもの 』が、私には蓄積されています。
【参考サイト】
■精舎《木こりの店》
■白樺の湯
■そば《おり田》
■野岩鉄道会津鬼怒川線《中三依駅》
■上野戦争
■かじか食堂
■男鹿の湯
■会津みそ
■いちます醸造
■辻 啓 先生
■こづゆ
■ペンションロマネスク
■村上 信夫シェフ
■会津アストリアホテル
■歌謡曲《襟裳岬》
令和6年3月31日(日)記
川間太田産婦人科医院
院長 太田 八千穂
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