院長ブログ更新しました。『令和5年1月、正月3日の軽井沢と昭和のテレビドラマのこと』(2023年1月31日)
【正月3日の軽井沢】■令和5年1月1日(日)晴
午前8時、カミさん、子供夫婦、孫たちと席に着き、『おめでとうございます』と挨拶し、大晦日のうちに届いた《くつかけステイ》のおせち三段重を各々皿にとりいただきました。
孫たちは食べるばかり、話はしていません。
そしてお雑煮。昨年のもちは中軽井沢の店《和》のものでしたが、今回は子供がどこの店でも手に入るもちを持参してくれました。
午前11時に《くつかけステイ》において"もちつきの会"があり、もち、豚汁、酒、甘酒、くじ引き、無料という知らせにより、家族揃って出席することにしました。
10分ほど過ぎ行くと、玄関前にて揃いの法被を着た社員3人がもちをついていて、彼らのかけ声と、ぺたぺたというもちをつく音が伝ってきました。
正面脇のテラスに座り、つきたてのもちと豚汁、それに甘酒を沢山いただきました。
大きなゴールデンレトリバー2匹を連れた人がいました。
一番下の孫の目の前に突然犬が顔を出しました。
孫は一瞬驚いた表情をしていましたが泣きませんでした。
犬はおだやかな人をつつみこむような、やさしい性格なのでしょう。
こんな幼い児にも判るのだと感心しました。
正月の昼下りの明るい陽光の庭に30-40人ほどの人が集っていて丁度いい人数だと感じました。
食事券をくじ引きにより家族が当てました。
そして子供夫婦、孫たちは車に乗り帰っていきました。
ひとり散歩に出かけました。
駅の中の通路をぬけ南口に出て通りを行きました。
当院近くの住宅の2-3倍の敷地に別荘風の建物が建っていました。
車の通らない静かな日でした。
途中から《湯川自然公園》の整備され木道に入りましたが、すぐ一般の道路になってしまいました。
5人ほどの若い男性の集団が車付きキャリーケースを押しながらやってきました。
上衣が違うだけでどこか異様な感じがしました。
この先にペンションがあるのでしょう。
駅近くの小さなレストランを見つけました。
閉っています。
勤務地が東京表参道のOLの書き込みに、予約が取れない、料理がおいしいことなどとありましたが、場所を確認できました。
鉄道と国道のガード下を通り、中軽井沢の町内に入りました。
車が一台停っている店を見つけ、戸を開け尋ねると正月3日間営業しているという返事でした。
いつもの通り歩いて山荘に着きました。
まだ明るい時間でした。
床暖房の効いた薪ストーブの前のソファーに座り外を眺めていました。
■令和5年1月2日(月)晴
午前8時、コーヒーとトーストをいただきました。
昨日のイタリア料理店《ラ・ルーチェ》に出かけることにしました。
正午を少しまわった時間に着きました。
古民家を改装したばかりの店であり、たたみの席と大小のテーブル席、それに窓際のカウンター席になっていました。
私は生ビール、カミさんは赤ワインを、料理は白魚のカルパッチョ、コーンスープ、ペペロンチーノ、それにピザを注文しました。
当院隣に店ができ、私はイタリア料理は知りませんがペペロンチーノをいただきました。
にんにく、鷹の爪、塩コショー、パスタ、それにオリーブオイルを使った料理であり、特別な決りはないということでした。
熱つ熱つの料理でした。
時代物の映像に寒い夜の屋台のそば屋が出てきて、かけそばを食する様子を思いだしました。
そして、ペペロンチーノはイタリアのかけそばだと考えました。
材料が単純だから料理人の腕がすぐ判ると思いました。
店を出て駅まで歩き、タクシーに乗り帰りました。
■令和5年1月3日(火)くもりのち晴
朝早く雪が降ったらしいものの午前8時にはくもり空になっていました。
ゴミを出してくるよう言われ出かけました。
道路にうっすら雪がかぶさっていました。
本日帰ることとし、山荘を出ました。
駅に着くと午前11時台の1本の電車が出たばかり、
次の電車まで1時間近く時間があるので駅前の黄色の看板のラーメン店に入りました。
今日から営業するということでした。
しょうゆラーメンを注文すると麺は日本そば様、スープは黒、チャーシューとのりが付いていました。
ずっと昔食べた支那そばと言われたラーメンは、麺もスープも黄色のものであり大きく違っていました。
駅に戻ると踏切事故があり遅れているというので待ちました。
40分くらい遅れましたが、13:00 あさま軽井沢発、13:47 大宮着に乘れましたが、定刻より4分ほど遅れていました。
午後3時には帰院できました。
郵便受けに厚い正月の新聞と年賀状が多数床に散らばっていました。
見ると私より10歳ほど若い同業の医師が閉院したとか、今年限りにし年賀状を止めるという人がいました。
私は変らず診療を続け、年賀状も出すしかないと考えました。
【昭和のテレビドラマのこと】
新聞もテレビもない正月3日間でした。
こんなにゆっくりした気持は初めてでした。
何から来ているのか考えていると、かつて見た正月のテレビドラマのことを想い出していました。
例えば《向田邦子さん作、久世光彦氏の演出の正月ドラマ》
わずかに希望が持てる、物事を肯定的にとらえられる内容だった気がします。
それが今よく耳にする『昭和』という語を冠したドラマであると、そんな気がします。
少し前、開成会会報に《鴨下 信一氏》の追悼文が載りました。
この人のことを知りませんでした。
インターネットによると昭和10年、東京市下谷区生れ、開成学園から東京大学文学部美学科卒、ラジオ東京に入り、音楽番組を担当、テレビドラマ演出、TBSテレビ相談役とありました。
テレビドラマ山田太一氏作《岸辺のアルバム》《ふぞろいの林檎たち》の演出担当。
下谷から日暮里にある《開成学園》まで通学したことになります。
敗戦直後の昭和20年代です。
私は都バスと京成電車を乗り継ぎ、日暮里に出て通学しました。
駅から常磐線の踏切のある下の道を登校時通りました。
蒸気機関車が通過し、最後の1輌に野菜を行商する婦人たちの専用車両が連結されていました。
下校時は《関東ローム層》の上の道を辿りました。
途中、高台にある諏訪神社から東京東部の街並みを望みました。
昭和30年代の日暮里でした。
《岸辺のアルバム》
はじめに和泉多摩川と登戸間の多摩川に架かる小田急電鉄の鉄橋が映り、同時にどこか哀しげな乾いた澄んだ女性の唄声が流れます。
これだけでテレビドラマ『岸辺のアルバム』だと判ります。
これにより当時の首都圏、いや全国の会社員、市民が東京世田谷に住みたいという憧れを抱いたような気がします。
この付近の場所に、私は学生の2年間と大学病院勤務の時間を過ごしました。
しかしそのような気持は私にはありませんでした。
《ふぞろいの林檎たち》
ネットによると俳優《柳沢 慎吾氏》は《鴨下 信一氏》の演出に鍛えられたと語っているとあります。
彼の警察ものの演技をよくテレビにて見ますが、少しも嫌味がなくいつも感心させられています。
これこそが、この演出家に鍛えられた賜物であると私は考えています。
中井 貴一氏、時任 三郎氏と互角に渡り合っていました。
4流大学、学歴社会が1つの主題になっていますが、やや深刻な場面になると、
いきなり高音のやや狂った感じのする《いとしのエリー》の男の歌声が流れドラマは終わります。
《山田 太一氏》のドラマは注意して見てきました。
彼についていって間違いないという気持を私は持っています。
新聞にこの人に関する書籍の広告が載り、すぐ手に入れ読みました。
《長谷正人著『敗者たちの想像力ー脚本家 山田 太一』》(2012年7月26日 第1刷発行 株式会社 岩波書店)です。
この作家と演出家のドラマの原点は何か考えてみました。
すると『"敗戦後の焼け野原"にあるのではないか』と私は考えるようになりました。
【参考サイト】
■くつかけステイ(中軽井沢)
■和(中軽井沢)
■イタリア料理店 ラ・ルーチェ(中軽井沢)
■湯川自然公園(湯川ふるさと公園)
■向田邦子さん作、久世光彦氏の演出の正月ドラマ
■鴨下 信一氏
■開成学園
■関東ローム層
■岸辺のアルバム(TVドラマ)
■ふぞろいの林檎たち(TVドラマ)
■柳沢 慎吾氏
■いとしのエリー(サザンオールスターズ)
■山田 太一氏
■長谷 正人著『敗者たちの想像力ー脚本家 山田 太一』
令和5年 1月31日(火)記
川間太田産婦人科医院
院長 太田 八千穂

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