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院長ブログ更新しました。『令和3年10月 、久しぶりに細胞診Ⅴ型がみつかる』(2021年10月31日

新型コロナウィルス感染による変化を『コロナ禍』という表現が一般的になった今日この頃です。
確かにこの影響は大きく、受診者が減少しています。それでも細胞診Ⅴ型がみつかりました。


令和3年9月10日(金)
『下半身が熱くなる、子宮が熱くなる』と、あまり聞かない症状を、ある会社の社長にその女性は相談しました。
社長は女性で私が以前手術した人です。すぐ私の所(当医院)に行きなさいと言われ来院してきました。
50代、2回経産、関東在住。
子宮膣部及び頸管から細胞を採取、《コルポスコープ》には著変ありませんでした。
令和3年9月27日(月)
細胞診結果、Ⅴ型、扁平上皮癌うたがいと出ましたと本人に説明。
そして、令和3年10月1日(金)精密検査を行いました。
再度細胞を採取、コルポスコープ検査しましたがさほど変化なし。
マッチ棒の先の赤い芯ほどの部分を3ヵ所生検、病理組織検査に提出しました。
令和3年10月14日(木)細胞診Ⅴ型、病理組織診中等度~高度異型上皮の診断。
どこかの大学病院を選びなさいと伝えました。
近い方がいいという返事。
さほど進んでいない、いや極めて初期の変化と思われるので、私の出身大学の同窓が教授をしている病院に紹介しましょうということになりました。

令和3年10月19日(火)
昼休み3回電話がありました。
1回目、医局か外来あたりからでしょう。若い女性が、この女性の病理組織診と細胞診の標本を提出しろという内容でした。
病理組織診の標本はいいが、細胞診の標本はできないと断りました。
2回目、若い男性医師からのもの、名を言っていましたが、なんで細胞診は不可なのかと強く言ってきました。
検査屋に言えばすぐ持ってきてくれるだろうと言っています。
永年世話になっている先生だから、改めて説明しました。
すると3回目の電話。やや不服そうな声、病理組織診標本をすぐ持ってこいという。
私は大学何年卒ですかと思わず聞いていました。
2011年という返事。西暦でなく和暦で言いなさいと言っていました。
同日午後3:25 本人来院、標本を渡しました。
午後4:00 までに届けろと言われていますと伝えてくれました。

令和3年10月21日(木)
教授の報告書が郵送されてきました。
内容は電話と同じ日付であり、子宮円錐切除術を行う予定とありました。
それなら2,3回面識がある程度ですが知らない訳ではないので、本人が電話してくれば良かったのにと思いました。

この診療情報提供書を書けたのも、
50年前かつて東京お茶の水にあった《東京都がん検診センター》にて天神 美夫先生の指導のもと手順を教えてもらったからです。
先人から受けた教育の賜物なのです。

そして40年前、この女性と同様の症例がありました。
海外から届けられた検体を調べてくださいと建設会社の社員から依頼されました。この時診断してくれたのが、先のセンターの人達です。
来日させ精密検査をしたところ、細胞診ⅣあるいはⅤ型、病理組織診は異型上皮。
細胞診は確かです。
異常細胞を出す子宮を今のうちに摘出すれば良いでしょう。
私がやれば下腹部を切らずに膣の方から手術する《膣式子宮全摘術》を行いますと説明しました。
そして執刀。しばらくして御主人の勤務する香港に行った際、『命の恩人です』と言われ、心から感謝していただきました。
その後、その御主人は同建設会社の副社長になられました。
そして私の新規開業するにあたり【一番の札】にて建設していただきました。
37年も時間が経過したものの、今も変らず医療機関として機能しています。

検診の手順を教えてくれた先生、膣式手術を指導してくれた恩師、建設に手を貸してくれた副社長、
皆さんとの人のつながり、縁により今の私があります。


30歳を少し過ぎたプロ野球選手の引退の様子をこの月テレビにて見ました。
高校野球の夏の甲子園において《ハンカチ王子》と大きく取り上げられ、
大学野球においても、リーグ戦優勝したとき、何回も【仲間】という語を発していました。
プロ野球に入団し、はじめ少し勝てましたが、その後怪我によりほとんど2軍生活。
この辺のところを、変わらない端正な顔だちに控えめに【仲間】という語を口にしていました。

彼の言う【仲間】とは【人とのつながり、縁ということ】なのだと、私は理解しました。

 

【参考サイト】
コルポスコープ

東京都がん検診センター

膣式子宮全摘術

ハンカチ王子

 

令和3年10月31日(日)記
川間太田産婦人科医院
院長 太田 八千穂

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