院長ブログ更新しました。『平成28年5月、子宮脱手術1例、子宮頚部腺癌0期、腹式子宮全摘術1例、計2例手術する。』~新看護師を迎え日光ゆば食し、ある社のインタビューの為に原稿を書く"開業医のメッカ"~(2016年5月31日)
※①住所 ②年齢、出産回数 ③初診から手術まで ④手術時間など
■子宮脱手術
【症例Ⅰ】
①埼玉県久喜市
②59歳、経産2回
③4-5年前人間ドックにて子宮脱と言われる。
『2日前完全に出てしまった』と平成28年4月18日(月)初診。
当院のタウン誌記事広告、更にパソコンよりHP見たという。
完全子宮脱。平成28年4月24日(日)胸腹部X-P、DIP施行。
平成28年5月6日(金)入院、5月7日(土)手術、5月17日(火)退院。
平成28年5月22日(日)胸腹部X-P施行。
④手術時間35分。
■腹式子宮全摘術
【症例Ⅱ】
①千葉県千葉市
②46歳、未産婦
③平成28年3月、近隣医にて細胞診異常指摘され、4月6日(水)市立病院受診。
生検精査、子宮頚部腺癌0期の診断。円錐切除術より子宮全摘術と説明受ける。
パソコンにて当院知り、平成28年4月20日(水)膣式手術を希望し初診。
未産婦であり膣式手術は出来ない、腹式子宮全摘術と説明する。
当院にて手術受けたいと、平成28年4月24日(日)胸腹部X-P、DIP施行する。
平成28年5月13日(金)入院、5月14日(土)手術、5月24日(火)退院。
④手術時間43分。
病理組織検査結果:頚部は12分割し検索しました。
4時、5時、7時、11時にadenocarcinoma in situ(潜在腺癌)をみます。
また、1時、12時にsevere dysplasia(高度異形成)をみます。断端は共に陰性です。
平成28年5月22日(日)胸腹部X-P施行、異常を認めない。
~新看護師を迎え日光ゆば食し、ある社のインタビューの為に原稿を書く"開業医のメッカ"~
【新看護師を迎え日光ゆば食す】
■平成28年5月31日(火)休診日。
新しく採用した看護師、看護から数年離れ事務をしていたと言い、復帰するにあたりやや不安があると言う。
産婦人科の経験なくとも、当院の手術、外来に慣れてもらえれば有り難い。
この人の歓迎会として《日光ゆば亭 ますだや》へ。
午前9:43春日部発 快速、11:21東武日光着。
今回は、何回も使ってくれるからと、2階の個室を使わせてくれるという。
ゆっくり静かに食事が出来た。
今夜は入院者なく、当直者もいない、食事もない。
東武日光売店にて《日光鱒寿司》を求め夕食とする。
久しぶりに東武特急スペーシアに乗車する。
【インタビューの為に原稿を書く"開業医のメッカ"】
■『現在の産婦人科医としての自分があるのはどうしてか』と考えました。
開成中学・高校にて《山岳部》に入部し、山について初歩的な考え方を学習し、大学においても続けました。
結論は『山は死の哲学である』ということでした。大学2年生くらいに、山から文学に興味が移りました。
私には兄がいます。
私の大学受験の年、東大理科Ⅲ類が出来ました。
優秀な者は理Ⅰ志望、医学部は普通の生徒(むしろ私の様な出来ない者)が受験しました。
開成3年上の兄は、クラスにおいて1番、2番の成績しかとって来ず、東大理Ⅱ現役入学。
教養終りの東大医学部試験に遅れず進みました。
私は1年遅れて東京慈恵会医科大学に入学しました。
父は私の事を、口では言わないものの、全く認めてくれないことが判りました。
父は昭和10年代、東京足立区に産婦人科病院を開業しました。
私が『どうして医師を目指したか』は、そんなに積極的な意味はありません。
産婦人科医についても動機は同様です。『どうせ産婦人科医になるのだろう』という意識があり、勉強が身に入らなかったと思います。
慈恵の同学年のクラス会に出席してみて『慈恵医大は"開業医のメッカ"』という言葉を、父親がそれぞれ千葉大、長崎大卒の二人の同級生の口から聞きました。
新潟大卒の父から直接聞いてはいないものの、相当以前に私も耳にしています。
かつてお茶の水にあった《東京都がん検診センター》に常勤3年、非常勤4年勤務しました。
東大産婦人科の教育は、不妊症など約10項目についてそれぞれ1,000本ノック(巨人軍の表現か)受けさせられるものの、慈恵では0本ノック。
私には、慈恵麻酔科にて5,000本ノック、東大の項目に無いコルポスコープ(膣拡大鏡)・膣式手術について、それぞれ10,000本ノックを受けた気がします。
即ち『この番外エキストラを活かそう』と考えました。
兄の関係により、膣式手術の第一人者《辻 啓 先生》と知り合い、東京板橋区高島平に開業された直後、5年間指導を受けました。
優れた婦長が2人いて、午後2時、3時、4時の執刀により、子宮筋腫を中心に膣式手術3例を了えました。
辻先生は、海軍兵学校在学中に敗戦を迎え、自然中退、大学受験資格なし、旧制広島高校から東大工学部入学。
将来何になるんだろうと考えたところ『大企業の会社員になる他ない。ならば医者が良い。』と考え、
東大医学部に入り直し、何故か産婦人科を選び、長野 町立 浅間病院の一人医長として膣式手術に取り組み《辻式3回結紮子宮全摘術》をあみだしました。
昭和1桁生れの作家(戦中派)の作品を多く読みました。
とりわけ、確か昭和42年新潮社刊《高橋 和巳》『我が心は石にあらず』の主人公 信藤 誠に響鳴しました。
理数に強く、辻先生がこのモデルに思えました。
父が私に声をかけてくれました『八千穂、よかったなぁ。辻先生と巡り合えたお蔭で開業出来るなあ。』と。
私は《風水》という考え方を漠然と認めます。
母が易者に私の人生について相談したところ『この人は西では全く芽が出ません。東です。それも少し北です。』という答え。
比較的都心に近く自然が多く残る地として、東武野田線(最近アーバンパークラインと言います)川間駅 野田市岩名を選びました。
開成にて意識させられた『成績が悪い、ビリ』という考え。
『不動産上の首都圏のビリ』として当地を選びました。
『ビリは怖くない、但し努力しなければビリのままである。』
そして、終戦内閣の《耳が聞こえないフリ》をして戦争を終わらせた、鈴木 貫太郎 首相の出生地であることも考慮しました。
住民の知的レベル、閉鎖的...。言い出したらキリがありません。
同調できない事が多々ありますが、来院してくれた人には、全て隔てなく真摯に診療しています。
インターネットにより、1都3県(東京、千葉、埼玉、茨城)から集客できるようになりました。
この2年ほど子宮筋腫の例が少なくなりました。
膣式手術に適した例が極めて少なくなりました。
理由を私なりに考えてみました。筋腫に対する考え方が変わって来ている様に想います。
腹腔鏡手術、薬物療法等。
1,000g前後の極端に大きな巨大筋腫の人が多く来院します。もちろん腹式手術です。
出来るだけ下腹部横切開術を考えますが、大きすぎて正中縦切開法も目立ちます。
膣式手術は子宮脱手術が中心です。『子宮脱の人が世の中にこんなに多くいるのか』と思うくらいです。
広告もネットも使わずにいれば、年間1-2例の子宮脱手術と思われます。
数年前は年間68例ありました。この1-2年少なくなりましたが、また50-60例ある日が来そうな気がします。
休みの日はどうしているかと言えば、
例えば日曜午後診療終了後、徒歩15分ほどにある《珈琲工房 山ぼうし》にコーヒーを飲みに行きます。
通りからやや高い所に店があり、広い良く手入れされた綺麗な庭。ここだけに軽井沢があるような気がします。
良くテレビを見ます。敗れた側からの視点に立ち、ものを考えます。
鳥羽伏見の戦い、上野黒門戦争、会津への敗走ルートを意識して東武鉄道に乗り、会津へ一人旅に出ます。
強く印象に残る映画はドイツ映画ウォルフガン・ペーターセン監督《Uボート》です。5-6回見直しました。
膣式手術の術者には必見と思われます。
もう1つ山から学んだ事に『食事』があります。
冬山の午前1:00食当として、半ば居眠りしながらガソリンバーナーを使い食事を作ったこと。食事についての『ありがたさ』を教えられました。
入院者の食事には特に出来るだけ良いものを出すように心掛けています。
米も味噌も会津産を使用しています。食器は《益子、笠間の器》が多いです。
恩師、辻 啓 先生の技術を身に付けた以上、『ありったけの開業~』言い換えれば『これ以上ない" 開業医のメッカ "』をやってやろうじゃないかと考えています。
【参考サイト】
■日光ゆば亭 ますだや
■日光鱒寿司
■東武特急スペーシア
■開成中学校・高等学校
■開成中高《山岳部》
■東大理科Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ類
■東京慈恵会医科大学
■東京都がん検診センター
■辻 啓 先生
■辻式『三回結紮子宮摘出術』
■高橋 和巳
■高橋 和巳 著『我が心は石にあらず』主人公 信藤 誠
■風水
■アーバンパークライン
■鈴木 貫太郎 首相
■珈琲工房 山ぼうし
■『戊辰戦争』鳥羽伏見の戦い、上野黒門戦争、会津への敗走ルート
■映画『Uボート』ウォルフガン・ペーターセン監督
■益子焼
■笠間焼
平成28年5月31日(火)記
川間太田産婦人科医院
院長 太田 八千穂
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