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令和4年8月 、会津高原高杖原に泊る。山、カミニート、そして2人の高橋 忠雄 氏

【会津高原高杖原に泊る】
令和4年8月15日(月)晴。
10:04 リバティ会津 春日部発、12:18 会津高原尾瀬口着。満席。
バスに乗り20分ほどして《きこりの店》下車。
大雨により前の店が水浸しになり、この地に新しく開店してから5年になるといいます。
以前の店の正面を入ったところにあった1枚板の栃の木のテーブル、下の台の表面が原木のまま格安の料金。すぐ購入しました。
外来待合室に置いてあります。
この机に向かい手術記録を書きました。落ち着いた気持ちになれました。
同時に1つのことを成し遂げたという達成感と安堵感といった感情につつまれたことを記憶しています。

《ペンションロマネスク》に連絡して迎えに来てもらいました。
午後2時過ぎ到着しました。
国道の表示板に24℃とありました。
やや湿気を感じますが涼しい。

一休みし《白樺の湯》に行き入浴しました。
10人ほどの人でした。

それからあたりを散策しました。
道路から1段高いところに畑があり、目の高さにそばの白い花が見えました。
その先一面に続いていました。

午後6時半、夕食。
客は私のほかに2組、両親と娘、若い夫婦でした。
メニューは天然の岩魚の塩焼き、レタスのサラダ、桃入り冷製スープ、ビーフシチューそしてアイスクリームと紅茶。
岩魚は福島原子力発電所の事故後、獲るひとがいなくなりよく釣れるといいます。
いや、息子さんの腕がいいからでしょう。
かっ色の透明なスープに桃、スープの塩味と桃の甘さ、本日の桃はいつになく甘く感じられました。福島市から取り寄せているといいます。
大びんビール1本。
決っして贅沢な食事ではありませんが十分満足できる料理でした。
ここには限局的に赤かぶが採れます。
これから種を蒔き、雪が2,3度降る頃収穫できるといいます。
そのスープはいい味がします。
12月の頃また来たいものです。

令和4年8月16日(火)晴。
午前3時半、森の樹々の間からの月の光により、枕元が明るくなっていました。
網戸から心地いい夜風が入ってきました。
1時間ほどして夜が明けました。眠ってしまいました。
午前7時半、目をさましました。
午前8時朝食。
ヨーグルト、フルーツの盛り合せ、フレンチトースト、それにコーヒーです。

再度散歩しバス停まで乗せてもらい、バスに乗り午前10時過ぎ駅に着きました。
午前11時、そば《おり田》へ。
客は3組ほど。中びんビール1本、天ぷらせいろ大盛、お茶を3杯ほど飲み駅まで歩きました。

13:21 リバティ会津 会津高原尾瀬口発、15:42春日部着。満席。
午後4時過ぎ帰院できました。

【山、カミニートそして2人の高橋 忠雄氏】
《カミニート》は邦題を『小径』と言うのが一般的です。
タンゴは100年以上前、南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの港街ボカ地区に誕生した音楽と言われています。
ヨーロッパからの移民が多かったと思われます。
この曲は、そのごく初期の作品です。
舞台は港近くなのでしょうか。
しかし私はなぜか山を想い浮かべてしまいます。
それも上高地、清里、軽井沢といった有名地ではなく、私の小径はこの会津高原高杖原の何の変哲もない舗装された数百メートルの農免道路なのです。

20歳の頃の晩秋の《帝釈山脈》と残雪の《会津駒ケ岳》の山行が忘れられません。
前者は倒木がひどく通れないという僅かな情報のもと行きました。
田代山からすぐの帝釈山にて1日が終り、お堂のような建物に泊りました。
次の日リヤカーを引いてでも行けそうな平らな道、黒岩山から日光沢温泉に下りました。
鬼怒沼では雪が降っていましたが、ときどき陽が射すような天候でした。
後者の山はくもり空、見通しはききました。
雪原を歩きました。《窓明山》という名を記憶しています。
心は楽しい気持に満ちていました。

野岩鉄道が開通した直後、高杖原に来ました。
医院を新規開業した秋、行きはバス、帰りは電車による医院旅行として出かけました。
帰る朝、小雪の舞うホテルの前にて写真を撮りました。
帰りの電車を中三依に下車したとき、受付の中年の女性が『あぁ静か、お正月みたい』という言葉がいつまでも頭に残っています。

それから何回も高杖原に通うと、遠くの山の稜線の奥に東北地方一の高さという燧ヶ岳の双耳峰がわずかに見えます。
《たかつえスキー場》として知られていますが、夏の涼しさはどこにも負けません。
宿の網戸の付いた窓を開けて眠れるのはありがたいことです。

何年か前、その宿の息子さんに誘われてあの農免道路わきの草むらにホタルの光を見つけました。

東京に近い静かな地なのです。
白いそばの花が一面咲いています。
なだらかな駒ケ岳が望めます。

私とほぼ同年齢の人がログハウスを建てました。
ある自動車会社を退職して造ったといいます。
雪の夕暮、薪ストーブにより暖をとった部屋の窓からウィスキーを口にしながら駒ケ岳を眺めている様子を空想しただけで涙が出てきてしまいます。
この人はビールが好きだと言い、人に車に乗せてもらったとき1箱届けたことを思い出します。

《菅原 洋一氏》、《藤沢 嵐子さん》のこの曲の歌唱をよく聞きます。
ともに感情のこもった唄がいいです。
特に後者について、旧満州に渡り敗戦、戦後《早川 真平氏》の《Orquesta Tipica Tokio》と共に活躍されたと聞きます。
この苦労がなければ人を引きつけるあの唄声は生まれなかったのではないでしょうか。
『triste vivo yo~僕の人生は悲しみの中に~』という発声がいつまでも耳に残ります。
日本語により『君去りて 我ひとり 楽しかりし 想い出に 泣きぬれて...愛の小径 カミニート アディオス』はそっくり私の心に伝ってきます。
曲にはアザミが出てきますが、ここでは白いそばの花です。

《高橋 忠雄先生》は東大から慈恵医大内科教授になられた肝臓学の大家です。
数回の講義を拝聴させていただきましたが、医学の内容は記憶していません。
アリューシャン列島の島を日本軍が占領し、これを取り返す、そのために米国はアラスカ半島先端まで鉄道を敷設したといいます。
その跡を見たいと出かけたところ、アメリカの凄さ、日本の弱点を痛切に感じさせられたと語ってくれました。
どうしてそのような僻地に先生は出かけたのでしょう。

相当山に行った人だと聞いています。
それは、山の経験からの発想だと私は考えました。

もう1人の《高橋 忠雄さん》は、タンゴの解説者です。
NHKラジオの放送を聞いていたところ『tristeza(悲しみ)』について話してくれました。
決っして物事を断言する語り口ではありません。
おだやかに話してくれました。
大分昔のことですが、時間が経って考えてみると『タンゴ、例えばカミニートの真髄はtristezaです。』と言っていたのではないでしょうか。
三越の専務の息子さんだそうです。

中三依の《かじか食堂》にも何度も通い、ビールと田舎わさびそば大盛をいただきました。
数年前、主が亡くなってしまいました。

会津高原尾瀬口のそば《おり田》は、高齢ですが御主人は健在です。
ここでもビールと天ぷら、そしてせいろ大盛をいただいています。

 

【参考サイト】
きこりの店

ペンションロマネスク

白樺の湯

カミニート

帝釈山脈

会津駒ケ岳

窓明山

たかつえスキー場

菅原 洋一氏

菅原洋一氏 カミニート

藤沢 嵐子さん カミニート

早川 真平氏、Orquesta Tipica Tokio(オルケスタ・ティピカ東京)

かじか食堂

そば《おり田》

 

令和4年 8月31日(水)記
川間太田産婦人科医院
院長 太田 八千穂

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